【書評】30代が金を買うならいつがいいのか?

Last Updated on 2021年5月28日 by ジョブメンズラボ

こんにちは。しんちゃんです。今回は「いま金を買わずしていつ買うのか!」(植田進著)を読んだ感想と、意外と知らない金の特徴、そして資産運用真っ只中の30代が買うとしたらいつがいいのか?について考察してみました。

本記事の内容

  • 株式や債券を逆の動きをする金は、分散投資と相性の良いアセット
  • 円安進行、国際金価格上昇、消費税増税のタイミングは買いだけど、資産形成にはやはり複利、配当がある商品が良い

本書を手に取ったきっかけ

NISA、インデックス!しか言ってなかったしんちゃんが突然「金」に興味が湧いたなんて、どうした?という感じですよね。実は前々から、いわゆる「コモディティ」と言われる投資分野が気になっていました。コモディティとは、ざっくり言うと貴金属や穀物、原油などの商品への投資のことですね。曲がりなりにも「お金マイスター(自称、名乗り始めて1か月)」として、株式や投資信託といった記事は少しずつ書いていましたが、少し前にとあるニュースを見て「これは資産運用の情報を発信していく身として知っておかないとな」という思いに至りました。そう、「国内金価格の過去最高値更新」です。

純粋に資産運用の対象として、興味が湧いたということもあったんですが、金について「貴重なもの」というイメージ(小学生並み)以外何も知らない自分に気づいてしまったということもありました。それなりに格式高いニュース番組だと、TOPIXや日経平均、ダウに加えて「NY金先物価格」とかが出てくると思います。どうやら「金」は30代ビジネスマンとして身に付けておくべき教養でもあるのかな、とも思い本書を手に取ってみたわけです。

本書の概要

本書は2019年8月初版発刊なので、ちょうど1年前くらいの本になります。全編を通して「金買うなら増税前の今だよ!価格も上がるから!買いなよ!」というメッセージが根底に流れているのですが、結果的に筆者の予想が的中する結果になりました。的中までのロジックは株式のテクニカル分析を模しているので、本記事では割愛します。純粋に「金すげー」と思う点から、資産としてのポイント、30代は買うべきかどうか、など紹介します!

金の凄いところ

①無価値にならない「有事の金」

「金は無価値になることはない」と言われています。それは、信用リスクに影響されないからです。株なんかは企業が倒産したらただの紙切れですし、国債だって国が破綻(デフォルト)すれば価値をなしません。その点、金は現物として価値があるので、安心して保有できるということです(盗まれたら終わりです)。特に、経済的、政治的な有事が起きると、現物として安心感のある金は価格が高騰します。ここが面白いポイントですが、金(他コモディティ)は株式や債券利回りと逆相関の値動きをすると言われています。ちなみに、金の価格が歴史的に高騰したのは以下の時期が挙げられます。

時期国債金価格高騰のきっかけとなった出来事
1980年875ドル(短期間で4倍)「イラン革命」「第二次オイルショック」「アフガニスタン侵攻」など
2011年1923ドル(2001年の8倍)「米国同時多発テロ」「リーマンショック」「ギリシャショック」など
しんちゃん

そう考えると、昨今の世界情勢も今回の金価格高騰と紐づけられそうですね。

②インフレ、円安に強い

そもそもですが、金には世界共通の「国際価格」と日本での「国内価格」の2種類があります。

  • 国債金価格・・・1トロイオンス当たりのドル建て金価格(1トロイオンスは31.1035g)の金地金の量
  • 国内金価格・・・1gあたりのドル建て価格

国内の金価格は以下の計算になります。

国内金価格の計算式

国内金価格(1g/円)=国際金価格(ドル)/31.1035g×ドル円レート

ここで、ポイントとなるのが、ドル円レートをかけて算出している点です。例えば、国際金価格が同じ条件であれば、1ドル80円より、1ドル115円の時の方が国内金価格が上がることになります。つまり、円安の時の方が国内金価格は上昇することになります。日本のインフレ率が高まると、国内の投資資金はより有利な投資先を求めて海外へ流出しやすくなるようですので、結果、円が売られやすくなります。そして円安は輸入物の値段上昇(輸入インフレ)に繋がり、悪い物価上昇、景気後退…といった負の連鎖に陥ります。ただ、金であれば、それをチャンスにできるということですね。

③売却時に消費税が手元に戻る

これ凄いなと思ったのですが、金は購入のときにかかった消費税が、売却するときに金価格に上乗せされて戻ってきます。つまり、購入時より売却時に消費税が増税されていれば、その分が上乗せの利益になります。本書の「今金を買うべき」という論調は、ちょうど消費税が10%に上がる2019年10月に迫っていた時だったからなんですね。

30代は金を買うべき?

上記の内容も含めて総合すると、もし買うのであれば円安傾向にあり、国際金価格も上昇傾向のときが良いと思います。消費税は10%に上がったばかりですが、このままで終わるとは思いませんので、増税の予兆があったときは尚チャンスかと思います。ただ、やはり配当・金利なしの金はあくまでもリスクヘッジのための安全資産として認識すべきかと思います。なので、積極的に資産運用してくべき30代としてはやはり複利効果の期待できる投資信託をお勧めします!

しんちゃん

とはいえ少し早くこの本を読んで1年前に金を買っていれば、利益が出たと思うとくやしい。

資産運用の配分(アロケーション)の点では、ある程度利益が確定できそうな株式などを売却して、下落のリスクヘッジのために金などを組み込んでも良いかもしれませんね。ちなみに、金の購入はネット証券なんかでも可能です。

まとめ

今回は「いま金を買わずしていつ買うのか!」を読んだ感想と概要を紹介しました。買う買わないは別として、一つのリテラシーと教養として金を勉強するのも面白いかと思います!ぜひ参考にしてみてください。

>30代はキャリアのターニングポイント

30代はキャリアのターニングポイント

どんな会社でも、就職して10年も経つと一通りの手順や全体像が見えてくる。結果、よく言えば仕事に対して余裕が生じ、悪く言えばマンネリに陥ることになる。その時に、現状に甘んじて何もせず、ハンコを押すだけのルーチンワークをするか、それとも常に変化へのアンテナを高くして、いずれ必要となるであろうスキルを磨いておくかで、10年後のポジションは決まる。ジョブメンズラボは「変化へのアンテナを高く」する30代とともに成長していく。

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