Last Updated on 2021年1月29日 by ジョブメンズラボ
こんにちは。しんちゃんです。
「年金」と聞くと皆さんどんなイメージを持っているでしょうか?
「若い世代だけ損している」
「将来もらえない」
「もらえたとしても年金額は決まりきっている」
悲観的な意見がちらほらと聞こえてきそうです。
しかし、年金については誤解や知らないことも多いのではないかとも思います。
正しい理解をすれば、本来の保険的な機能を最大限に活かすこと、そして、老後の資産形成において大事な役目を果たすこともできます。
そこで、今回の記事では意外と知らない年金制度のポイント3点をまとめてみました。
記事の内容
・年金はそもそもリスクに備える「保険」
・払った保険料以上には多くもらえるが今の年金制度
・年金はインフレリスクにもある程度対応することができる
・受給開始年齢を60歳~70歳で選択できる
本記事はこんな人におすすめ
・投資には積極的だが年金については見て見ぬふりをしている方
・年金が気になるが「どうせもらえないだろう」と悲観的な将来を予想している方
・年金の意識はしているが、何を知っておくべきかよく分からない方
年金はそもそもリスクに備える「保険」
「年金」というと、どうしても「老後にもらえるお金」のイメージが先行してしまうと思います。
しかし、老後にもらえるお金というのは「老齢年金」という一つの側面に過ぎません。
年金は一言でいえば、人生のリスクに備える「保険」です。
そう考えると、そもそも「もらえる・もらえない」といった議論から少し目線を変えることができるのではと思います。
支給要件には、保険料納付済み期間なども考慮されるので、もらえないからといって払わないと遺族年金や障害年金が受けれない場合もあるのでご注意を!
年金について意外と知らないこと
1.払った保険料以上には多くもらえるのが今の年金制度
2015年の年齢 | 保険料負担額(厚生年金) | 年金給付額 | 倍率 | 保険料負担額(国民年金) | 年金給付額 | 倍率 |
70歳 | 1,000 | 4,400 | 4.3 | 400 | 1,400 | 3.8 |
60歳 | 1,400 | 4,300 | 3.2 | 500 | 1,200 | 2.3 |
50歳 | 1,900 | 5,300 | 2.8 | 800 | 1,400 | 1.8 |
40歳 | 2,400 | 5,900 | 2.4 | 1,000 | 1,500 | 1.5 |
30歳 | 2,900 | 6,800 | 2.3 | 1,100 | 1,700 | 1.5 |
20歳 | 3,400 | 7,900 | 2.3 | 1,300 | 2,000 | 1.5 |
厚生労働省資料から作成
上の表から分かるように、30代でも厚生年金は負担額の2.3倍、国民年金は1.5倍をもらえる予測が立てられています。
なぜこんなにもらえることになっているのでしょうか?
理由は二つあります。
一つは、国民年金の財源の半分は税金でまかなわれているため、もう一つは、厚生年金の負担の半分は会社から出ているためと言われています。
でも世代間の格差が気になる…という人もいるかと思います。確かに倍率が大きく違いますよね。
ただ、現在の受給世代が若かった頃は公的年金も今のように多くの人が受給していたわけではなく、受給していたとしても額が少ないこともありました。
そのため、多くの人が自分の収入から親を扶養しており「私的扶養」がされていたんです。
現在の高齢者が現役だった頃の「私的扶養」という負担も考えると、今の若者だけが苦労しているとも言い切れないですね!
2.年金はインフレリスクにもある程度対応することができる
意外と知られていませんが、公的年金には以下の特徴があります。
・受給開始初年度の水準は現役世代の賃金の変動に連動する
・既にもらい始めた後は、物価の変動に連動する
なので、年金はある程度購買力が維持されます。
一つ留意点としては、現役世代の減少や受給者の伸びを反映させて毎年の受給額を自動的に調整する「マクロ経済スライド」という仕組みが2004年に導入されているので、実際の物価上昇率より年金増加率は小さくなるようになっています。
公的年金がこのような仕組みにできるのは「賦課(ふか)方式」だからです。仕送りみたいなものですね。
インフレが起きている状況では現役世代の賃金も通常は上がっています。
その分現役世代からの保険料収入も大きくなり、給付額を増やせる仕組みです。
3.受給開始年齢を60歳~70歳で選択できる
公的年金の支給年齢は65歳です。
しかし、希望すれば60歳までの繰り上げ、または、70歳までの繰り下げ支給が可能です。
繰り上げの場合は1カ月ごとに0.5%の減額、繰り下げの場合は1カ月ごとに0.7%の増額です。
例えば、MAXの前後5年間で実際に繰り上げ、繰り下げを行うと以下のように支給額も変動します。
年金の繰り上げ・繰り下げ支給をした場合
・0.5%減×60か月=30%減
・0.7%増×60か月=42%増
ちなみに、会社員と専業主婦の夫婦(年金月額約22万円をモデルとする)が100歳まで生きた場合に受け取る年金額を、65歳受給と70歳繰り下げ受給で比較した場合、繰り下げ受給の方が約2,000万円増額されるというシミュレーションができます。
老後までにある程度資産形成がされていれば、年金を繰り下げ受給することでさらに豊かな生活が送れる可能性がありますね。
100歳まで生きるかどうかは別として…
まとめ
今回は、意外と知らない年金制度のポイントをかいつまんでご紹介しました。
キーメッセージは以下のとおりです。
・年金は、保険の意味合いでとらえたほうが良い。
・老齢年金については「もらえない」と悲観的になる必要はない。
・一番ダメなのは、もらえないからと言って払わないこと。特にいざというときの障害、遺族年金支給要件から外れないようにしっかり払うべき!
・物価上昇にも対応しているし、繰り下げによる増額も可能なので意外と優秀な制度。
是非とも投資と年金の活用で資産形成を最大化させましょう!
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