Last Updated on 2022年1月9日 by ジョブメンズラボ
こんにちは!ワールドトリガーをこよなく愛するMBA(経営学修士)のよっすーです(^^)
今回は「空閑と影浦のサイドエフェクトってつまり、ビジネスにおいては玄人の勘だよね」という点についてまとめます。
ご笑覧いただき、コメントもらえると嬉しい限りです!
空閑のサイドエフェクトは、現実世界の”直観”といえる
ワートリ連載開始当初、友人と言い合ってた言葉、それが「おまえ、つまんないウソつくね」です。
言わずもがな、ワートリ、空閑遊真の決め台詞なわけですが、これは空閑が嘘を見抜けるというサイドエフェクト(特殊能力)を持っていることによるズバッと決まる名台詞です。
ランク戦に入ってからは聞く機会も少なくなった名言ですが、今後も戦闘におけるブラフを見抜く等、活躍を見せるでしょう。
さて、このサイドエフェクト、作中では「超感覚」という呼び名もありますが、私は単純に”直観”の強化であると考えるのです。
つまり、作中で特殊能力扱いであるものの、大なり小なり現実世界で我々も扱っている能力です。
論理よりも優先される事もある”直観”の力
この”直観”の力は一般的には軽視されがちです。
書店に並んでいるビジネス書の多くは「論理」ばかり。
もちろん、「嘘を見抜く力」とか「感情受信体質の育て方」なんて本はありません。(あったらちょっと読みたい)
これは、もちろんサイドエフェクトの機能を説明できないからでしょう。
しかし、経営学の世界においては、機能が十分に説明できなくとも”直観”の有用性は評価されています。
システム1と”直観”
この考えをまとめたのはカーネマン=トベルスキーという学者さんで、人の脳内では、外部からの刺激に対して、大きく2種類の意思決定の過程が同時に、異なるスピードで起きるメカニズムを明らかにしています。
システム1が直観で、「早く、とっさに、自動的に、思考に負担をかけずに、無意識に行われる意思決定」で、
システム2がいわゆる論理的思考で、「時間をかけて、段階的に、思考をめぐらせながら、意識的に行う意思決定」です。
この二つ、当初はシステム1(直観)を避けるべきという言説が一般的でした。
しかし、2009年にゲルド・ギザレンザーという科学者が、明らかにしたのは、「システム1の方が正確な将来予測を可能にする場合がある」という事です。
どういうことかと言うと、システム2では過去の経験に基づいて考慮する事項をたくさん列挙する事でシステム1で生じうるバイアスを可能な限り排除する一方、たくさん列挙すると予測に使えない変数が紛れ込むリスクが上がるという事です。
ものすごく簡単に言うと、「この人は過去私に嘘ついた事がないし、いつも親切だし、今回も本当の事を言っている(システム2)」という一見論理的な判断よりも、「なんか怪しいから嘘を言ってそう(システム1)」という直観の方が正しい場合があるという事です
”直観”によるビジネスはソフトバンクの孫さんも実践
この”直観”、ビジネスで有名な話でいえば ソフトバンク・ビジョン・ファンド の孫正義さんです。
同氏が2000年に、アリババ創業者のジャック・マー氏への20億円の投資を、事業計画書も見ずに5分で決めたのは有名な話です。
しかも、その時にマー氏は「1億か2億でいいです」と言ったにもかかわらず、孫氏が「20億円は受け取ってほしい。お金は邪魔にならないだろう」と述べたのも有名な話です。
つまり、「論理的に答えられないけど、そういうもんなんだ」という直観の話は現実世界、とりわけビジネスの世界でもあります。
空閑のサイドエフェクト(特殊能力)も、その能力に名前がつけられているものの、我々だって使っている「直観(システム1)」と同じだと思うわけです。
とはいえ素人の”直観”に頼るべからず
さて、そう考えると私も「おまえ、つまんないウソつくね」と言ってみたいものですが、そうもいきません。
なぜなら ギザレンザーさんは「直観は、その人の様々な経験に裏打ちされたものでなくてはならない」とも言っているからです。
どういう事というと、直観は考慮すべき要素を経験に基づいて最小で選択し、即座に判断しています。この選択のプロセスにおいて、培ってきた経験が活きるという事です。
孫さんの場合はその経営者としての経験であり、空閑にとっては通り抜けてきた修羅場の数とも理解できるでしょう。(作中にそのようなサイドエフェクトとの因果関係はありませんが)。
その点では、やはり学ぶべきが多いのは三雲隊長で、経験を補って余りあるし思考力(システム2)を30代ビジネスマンは鍛えていかないといけないですね。
結論
経験の浅いビジネスマンは三雲隊長スタイルでまずは経験をつみ、空閑や孫さんぐらい修羅場を積んだと思えたら「お前、つまんないウソをつくね」と言いましょう。