【マネージメント】3つの過剰に陥ってない?『共感』をテーマにマネージメントをしてみよう

Last Updated on 2021年1月29日 by ジョブメンズラボ

どうもいーとんです。

今回はマネージメント論について紹介したいと思います。皆さんの会社や身近なリーダーにこんな人っていませんか?

①オーバー・アナリシス(分析過剰)

②オーバー・プランニング(計画過剰)

③オーバー・コンプライアンス(法令遵守過剰)

分析をし、計画を立て、法令遵守をしていれば、それで経営やマネージメントができていると思い込んでいる人です。

そういう人がいるチームはどこか内向きで活気がなく、計画も達成しない。もちろんイノベーションなんで起きる兆しもない・・・

一方で現場が活性化し、社員一人一人が生き生きと仕事に向きある会社やチームも少なからずあります。

今回はこの違いについて野中郁次郎氏の著書『共感経営』からレポートしたいと思います。

今回の内容

ポイント!

  • VUCAの時代において分析的戦略では限界がある
  • 時代の変化に合わせビジョン達成のため、その都度最適最善の判断を行っていく『物語り戦略』が必要
  • 物語り戦略のためには『共感』が原動力

なぜ分析的戦略は限界なのか?

VUCAの時代

なぜ今マネージメントを見直していく必要があるのでしょうか?

それは今が『VUCAの時代』と呼ばれているからです。

VUCAはビジネス用語。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べたアクロニム。1990年代後半にアメリカ合衆国で軍事用語として発生したが、2010年代になってビジネスの業界でも使われるようになった。「今はVUCAの世界になった」というような文脈で使われることも多い。

Wikipedia

つまり現代は不安定で変化が激しく(変動性=volatility)、未来を予想することが困難であり(不確実性=uncertainty)、仕組みが複雑で(複雑性=complexity)問題も課題も明確でない(曖昧性=ambiguity)ので、市場環境を過去と変わらないものととらえる分析的戦略では限界があります。

そんなの会社もわかっているでしょ?なんで会社は分析して次々と現場に指示を出すんだろう?

私が考えるに「安心感」が得たいからだと思います。

本社企画部門がデータを添え、誰もが反対しない施策を提案すれば会議は通り、社長は株主に説明責任が果たせます。

しかも未達であれば実行力が足りない現場の責任にできるため、本社の責任が回避!一石二鳥ですね。

でも上記のようなことって各現場でも起きてませんか?

リーダー

僕がしっかり分析して戦略立てたのに数字がついてこない・・・

上司

なんで結果がでてないの?

リーダー

僕は〇〇という分析から△△という施策を立てたんですが、メンバーの実行力が足りないんです。パッパかけてくださいよ!

上司

戦略立ててるなら本社にも言い訳できるわね

上司

そうね。なら私からメンバーに声かけておくわ。また実行力が身につく研修なども受けさせましょう!

メンバー

現場のことも知らないくせに・・・

時代の変化が少なく過去の成功により未来の成功が予測できた時代では成功していた戦略が今では現場の閉塞感を生むようになっています。

ではどうしていけばいいのでしょうか?

VUCAの時代における有効なマネージメントとは?

物語り戦略

本書においてはVUCAの時代に必要なことは「物語り戦略」(動詞形をイメージさせるため名詞の物語ではなく物語りと表記されるそうです)であると書かれていました

物語り戦略と対をなすのが「ポジショニング理論」と呼ばれる競争優位の理論です。ポジショニング理論とは企業が競争戦略を策定するには市場の魅力度を判断し、市場を選択し、自社の最適なポジショニングを判断し選択することです。

一方物語り戦略はあらゆる面で対象的です。

ポジショニング理論物語り戦略
競争に勝つこと戦略の前提存在意義/組織ビジョン
完全市場
(完全な情報を持ち、市場の参加も自由。大きな変化はない)
市場の前提不完全市場
(市場は常に変化し刻一刻と変化していく)
解の論理的な正しさ/論理的三段論法
(A=B B=CゆえにA=C)
求めるもの新しい知恵の創造
(目的=手段=実践)

ポジショニング理論では、過去や現在の状況から分析し、解=打ち手の論理的な正しさを求めていきます。

一方物語り戦略ではどうありたいかという未来を起点にGAPを顕在化し、物事の本質を見極め、過去を否定的に問い直すことでやるべきことを考えるということになります。

いーとん

計画ありきではなく、企業/チーム/自分がどうありたいか?を土台に考えマネージメントしていく方法ですね。泥臭くて人間的で僕は好きですね。

物語り戦略のために必要なこととは

共感から始まるSECIモデル

本書より筆者作成

本書にて物語り戦略の肝として書かれていたのがSECIモデルです。

SECIモデルとは新しい知(=打ち手/HOW)が生まれるための循環モデルとされています。新たな知(=打ち手/HOW)が発生するには4つのモードを回ると筆者は規定していました

この暗黙知における「共同化」がまさに「共感」の部分です。つまりお互いが共感しないと知は生まれません。この共感する環境を作ることが物語りマネージメントには求められます。

共感する場とは「出会い」と「対話」です。会って話すことで新たな知(=打ち手/HOW)が生まれるまでの循環が始まります。

いーとん

実際、日本マイクロソフト社ではアメリカ本社から重役が来た際、以前は計画の未達成などを確認していたそうですが、今はすべて辞め、出席者一人一人が自分の人生観を語り合うように変更し、会社のV字回復につながっているそうです。

まとめ

今回はマネージメント論について『共感経営』より紹介しました。

少し概念が多く難しく感じたかもしれませんが、本書では9つの実際の企業でのケースをもとに紹介されており、わかりやすく飽きさせない構成になっています。

特に今マネージメントに苦しんでいる方はご一読いただくことでかなり参考になると思います!

共感経営 「物語り戦略」で輝く現場 [ 野中 郁次郎 ]

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30代はキャリアのターニングポイント

どんな会社でも、就職して10年も経つと一通りの手順や全体像が見えてくる。結果、よく言えば仕事に対して余裕が生じ、悪く言えばマンネリに陥ることになる。その時に、現状に甘んじて何もせず、ハンコを押すだけのルーチンワークをするか、それとも常に変化へのアンテナを高くして、いずれ必要となるであろうスキルを磨いておくかで、10年後のポジションは決まる。ジョブメンズラボは「変化へのアンテナを高く」する30代とともに成長していく。

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