【映画で学ぶ金融史 】「マネーショート 華麗なる大逆転」が面白い

Last Updated on 2021年1月29日 by ジョブメンズラボ

こんにちは。しんちゃんです。

今回は映画「マネーショート 華麗なる大逆転」を観た感想をご紹介します。

金融映画というと難しいイメージがありますが、映画中で専門用語の解説演出もあり、終始楽しめた映画でした!

投資家の皆さんや金融・経済に興味のある30代の方にお勧めです!

記事の内容

・映画「マネーショート」はスリリングな金融群像映画!
・リーマンショックやサブプライムローンといった金融史の出来事が2時間で学べる
・見終わった感想「金融業界って怖い」

本記事はこんな人におすすめ

・投資家が主人公のスリリングな映画を観てみたい方
・映画で金融・経済を学んでみたい方

映画のあらすじ

本映画は2015年に米国で公開された金融・経済をテーマにした映画です。

あらすじは以下になります。

2005年。風変わりな金融トレーダーのマイケルは、格付けの高い不動産抵当証券に信用力が低いはずのサブプライム・ローンが組み込まれていることに気づき、破綻は時間の問題だと見抜く。だが、好景気に沸くウォール街で彼の予測に真剣に耳を傾ける者など一人もいなかった。そこでマイケルは、“クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)”という金融取引で、バブル崩壊の際に巨額の保険金が入る契約を投資銀行と結ぶ。同じ頃、若き銀行家ジャレッドやヘッジファンド・マネージャーのマーク、引退した伝説のベンもまた、バブル崩壊の足音を敏感に察知し、ウォール街を出し抜くべく行動を開始するが…。

allcinemaより引用


2008年のリーマンショックの原因ともいわれるサブプライムローンの破綻は記憶に新しいと思います。

世界中がバブルに熱狂していた時代に、いち早くその矛盾に気づいた4人のアウトローたちが、それぞれの方法で投資家として戦う姿を描いた映画がこの作品です。

テーマも興味を惹かれますが、登場人物が個性派ぞろいで見ていて飽きません。

【主な登場人物】
・ヘビメタ好きの天才トレーダー「マイケル」(クリスチャン・ベール
一儲け企む切れ者銀行家「ジャレド」(ライアン・ゴズリング
モラルの高いヘッジファンド・マネージャー「マーク」(スティーヴ・カレル
世を捨てた伝説の投資家「ベン」ブラッド・ピット

面白いのは、4人それぞれが自分の視点で矛盾に気づき、4人のストーリーが完全には絡み合わないところです(一部の登場人物は接点があります)。

しんちゃん

投資家という職業の孤独さやストイックさが表現されているようで、興味深い演出でした。

この映画で出てくる専門用語

劇中で解説されている専門用語も多いですが、観る前に予習しているとより映画が楽しめますので、少しだけご紹介します。

MBS(モーゲージ債)

住宅ローン債権をまとめて商品化した不動産担保証券のこと。
金融機関はこの証券を売ることにより、新たな住宅ローンの資金調達が可能になります。

サブプライムローン

低所得者向けの審査が超絶緩いローン。「サブプライム=プライム(優良)じゃない人」の意味。

当時のアメリカは好景気から住宅建築ブーム真っ只中。新しく作った住宅が売れ残らないように、低所得者にも見境なくローンを組ませていました。

「低金利から組めますよ!」と言っておきながら、徐々に高金利になっていく仕組み…恐ろしい。

CDO(債務担保証券)

複数の債権をひとつにまとめて証券化したもの。

問題だったのはこのCDOというのが、MBSに不良債権リスクの高いサブプライム・ローンを大量に混ぜられてできた商品だったこと

そして、信じられないことに格付け機関(S&Pやムーディーズ)も良く中身を精査せず「AAA」という国債並みの高評価を与えていたこと。

CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)

CDOを空売り(何もないままときに先に株を売り、下がったところで株を買い戻して儲ける方法)するためにマイケルが発明した金融商品がCDSです。

オプションに似ていますが、保険的な扱いです。

オプションについては以前の記事でも少し説明していますので是非読んでみてください。

この商品の特徴は、定期的に保険料(プレミアム)を払う必要一方で、CDOがデフォルト(破綻)したときに損失分を保証してもらえるという点です。

そして、このCDSは実際に債権を持っていなくても購入できるという特徴も持っていました。

マイケルとしては損失はプレミアム分だけで、読みが当たれば巨額の利益を得ることができます。

不良債権が組み込まれているCDOは確実にデフォルトすると考えたマイケルがなんとか周りを出し抜くために作り出した策なのでした。

一方で相手側(契約した投資銀行)は「そんなのいくらでも契約するよ!(こんなに儲かってるCDOが暴落するわけないのにアホだなこのマイケルってやつは。まあこっちには何もせずにプレミアムが入ってくる。しめしめ)」って感じですね。

映画を観て感じたこと

このような感じで、マイケルをはじめジャレド、マーク、ベンはCDOをばらまく金融業界と対峙していくわけですが、その中で一つのジレンマが浮き彫りになります。

それは「CDSでマイケル達が利益を勝ち取ることができるということは、世界経済が破綻するということ」です。

この辺りのことをベンが辛辣に語るシーンには少し考えさせられました。

しんちゃん的には今投資しているS&P500は「アメリカがもっと成長するはず」という賭けになりますが、金融商品によっては真逆のスタンスも全然あり得ますね。

そして、映画を最後まで観るとラストのクレジットでもう一つ考えさせられることが出てきます。

CDSを買い続けていたマイケルが新たに買ったものとは?

しんちゃん

Prime videoでレンタルできますので、興味のある方は是非実際に観てみてください!

まとめ

今回は「マネーショート 華麗なる大逆転」を観た感想を紹介しました。

日頃書籍や、SNSで金融や投資の知識を得ていますが、映画で学ぶのもなかなか面白いですね。

まだまだ気になっている金融映画がありますので、機会があれば当ブログで紹介できればと思います!

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