Last Updated on 2021年5月28日 by ジョブメンズラボ
こんにちは。しんちゃんです。
今回は「ほったらかし投資術 インデックス投資運用実践ガイド」を読んだ感想とその内容をご紹介したいと思います。資産運用をするにあたって考えること、簡単で楽に運用できるインデックス投資とは何か?その基本を勉強することのできる書籍でした。
本記事の内容
- お金の運用プロセスは家電を買うときをイメージすると良し
- 「売買することによって資産を増やすのではなく、将来値上がりが期待できるところに長期的に資産を置いておこう」という運用方法
- インデックス運用は少ない時間の中で(ほったらかして)投資運用できるので、仕事が忙しい30代にもお勧め
大まかな要約
この本では、経済評論家の山崎元さんと投資系ブロガーである水瀬ケンイチさんの二人が、インデックス運用がいかに簡単で安心な資産運用術かということ理論と実践を交えて紹介しています。
前半ではインデックス運用を始めるにあたっての手順を、後半にはインデックス投資の長所・短所、運用時の心構えを紹介しています。
投資を始める人がお金を運用する手順
「資産運用をしてみたいけれど、何から始めればよいかわからない」という方もいるのではないでしょうか?
お金を運用するために必要な6つのプロセスについて、以下のように家電製品を購入するときのプロセスにあてはめると理解しやすいと著者は言っています。
- 家計の分析=テレビの大きさと予算を決める
- 資産配分を決める=テレビのスペックを決める
- 商品の選択=テレビの商品を選ぶ
- 取引金融機関の選択=どこでテレビを買うか決める
- DC(確定拠出年金)とNISA(少額投資非課税制度)を活用する=エコポイントのような優遇措置を活用する
- モニタリングとメンテナンス=テレビと自宅の家電の状態を見る
自分の普段の生活に重ねるとわかりやすいですね。店舗型の銀行や証券会社に比べ手数料の安いネット証券口座を開くこと、DCやNISAといった制度はやっぱり有効活用することがポイントになってくると思います。
個人型のDC(ideco)やNISAといったお得な制度は、「将来への備えは自分でやってください」という政府のからのメッセージだと考えてもいいでしょう、と筆者は言っています。
インデックス運用って何?
ざっくりというと、インデックス運用とはTOPIXや日経平均のような株価指数(インデックス)と連動した収益率を目指す運用方法です。
一方でアクティブ運用という、適切な銘柄を適切なタイミングで売買して、インデックスを上回る収益を目指す方法もあります。
テストで60点くらいの平均点を狙っていくのがインデックス運用で、80点とか高得点を狙っていくのがアクティブ運用っていう感じですね。
インデックス運用の3つのメリット
インデックス運用には3つのメリットがあると言います。
- 手数料コストが安い
- シンプルで分かりやすい
- 負けにくく、無難
手数料コストが安い
投資信託では、買うとき、持っているとき、売る(解約する)ときの3つのタイミングで手数料がかかります。その手数料が、インデックス運用の商品では、たとえば、販売手数料ゼロ(買ったとき)、信託報酬年率0.5%前後(持っているとき)といったように手数料が圧倒的に安いのが特徴です。
先ほどご紹介したアクティブ運用の商品では販売手数料が2~3%、信託報酬も1.5%を超えるものも多いようです。
シンプルで分かりやすい
インデックス運用は、例えば国内の株式であれば、TOPIXの変動などを見れば、自分の運用の成果も見えるなど、現状把握もしやすいとのことです。また、過去の変動を見ることで、自分の運用におけるリスクやリターンの特性を大まかに知ることができるそうです。
対して、アクティブ運用では、長期にわたる運用パフォーマンスを見ることが難しく、運用方針が変わることもあるので、過去を参考にしにくいようです。
負けにくく、無難
インデックス運用は、平均的な運用成績をほぼ確実に得ることができると言います。一方、インデックスを上回る収益を目指すアクティブ運用の6~7割はインデックス運用に勝てないという事実もあるとのことです。
運用手数料や、販売手数料がインデックス運用の方が安いことも考慮すると、更に差が際立ちそうですね。
インデックス運用のデメリット
あまり良いところばかり紹介するのも公平性に欠けるので、著者はあえて、インデックス運用の短所も上げています
- お金を増やすのに時間がかかる
- 退屈
- ダメ企業にも投資してしまう可能性がある
年率でプラス数%の期待リターンなので、20年、30年腰を据えて待つ必要があり、また、投資につきもののワクワク感などない運用方法なので、退屈であるということですね。
ただ、そもそもの投資目的は「老後資金の準備」という方が多いと思いますし、投資にスリルを求めたいという方はとっくに自ら株式を買ったりしているでしょうから、この辺りは特に気にならないような気もします。
ダメ企業にも投資してしまう可能性がある、というのは、たとえば、TOPIX連動型インデックスファンドなどは、東証一部上場さえされていれば買ってしまうという比較的広い条件だからですね。
そうなると、米国のS&P500のような上場企業からさらに厳選された企業のインデックスファンドはなどは魅力的ですね。
「積み立て」か「一括」かという話
30代会社員の方であれば、給与天引きで、毎月積み立て貯蓄・投資している方も多いのではないでしょうか。著者も基本的にこのスタンスには賛成されています。
よく言われる「ドルコスト平均法」というものがあります。これは、同じ金額を毎月積み立てるので、商品の価格が上がったときの購入量は少なく、下がった時の購入量は多くなり、結果として購入単価がフラットになることで、リスク低減と安定した収益に繋がると言われています。
ただ、こういった方法には投資が完了するまでの期間に十分機会を活用できない「機会コスト」もかかるので、「気休めにはなっても、合理的ではない」とも著者は言っています。ある程度まとまった運用資金がある方は、一括で投資してよいのではとのことです。
一括投資だと高値で買ってしまうこともありますし、積み立てより価格の上下に一喜一憂してしまいそうなので、精神的にもあまりよくないかなと個人的には思います。ただ複利効果は大きいですので、一概に積み立てと一括のどちらが良いかというと悩みますね。
ちなみに、友人の現役銀行員に聞いたところ「印象としては積み立ての方が勝率が良い」とのことでした(あくまでも一意見です)。
コツコツ天引きしたい人は積み立てで、まとまったお金がある人は一括で、という個人の状況で選択肢もよいのではないかと思います。ちなみに、会社員の私は積み立てで運用しています。
30代の私が実際運用している商品
最近始めたばかりですが、インデックス運用は30代の私も実践していますので、実際に運用している商品を紹介してみたいと思います。
厳密にいうとETF(上場投資信託)という種類の商品です。信託報酬がかなり安いといったメリットがあります。
ファンド名 | SBI-SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド |
買付手数料 | なし |
信託報酬 | 0.0938% |
信託財産留保額 | なし |
開設口座 | SBI証券(NISA口座) |
バンガードは世界で初めて個人投資家向けのインデックスファンドを、米国の投資家向けに設定した資産運用会社です。S&Pは先ほど書いた通り、米国の上場企業から代表的な500社を選別した市場ですね。
投資信託の商品名は、一見長くてよくわからないものが多いですが、要は「SBI証券で販売されている、バンガードという運用会社が米国のS&P500指数と連動するようにインデックス運用するファンド」ということですね。
長期的に上昇している米国市場に投資したいと思い、加えて手数料の安いこの商品にしました。安易ですが、シンプルでやっぱりわかりやすい運用方法だと思います。
機会があれば、運用成績なども今後紹介していければと思います!
まとめ
今回は、「ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド」を読んだ感想と内容の大まかな紹介をしました。
資産運用をしてみたいけれど、始め方に困っている方、自分で売買する時間もノウハウもない30代の方などはぜひ本書を読んで「インデックス運用」について触れてみてください。インデックス運用は今すぐにでも始められますよ。