【賃貸不動産経営管理士】業務管理者になる方法と移行講習の内容を紹介!

Last Updated on 2021年5月16日 by ジョブメンズラボ

こんにちは。しんちゃんです。

不動産業の方々であればご存じかと思いますが、令和2年度6月19日に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下「賃貸住宅管理業法」)」が公布されました(施行日:令和3年度6月15日)。

この法律により、賃貸住宅管理業は「任意登録制度」から、規制の厳しい「登録制度」に姿を変えることになります。

そして、業務において新たに「業務管理者」という有資格者の選任が必要になってきます。

今回は、賃貸不動産経営管理士の有資格者である私が、業務管理者になる方法、登録資格を得るための移行講習を受けた感想を紹介したいと思います!

「賃貸住宅管理業法」って何?

そもそもの法律の内容について、少しおさらいしたいと思います。

「賃貸住宅管理業法」の内容を一端的にまとめると、

「サブリース業者と賃貸住宅所有者との間の賃貸借契約の適正化のための規制措置を講ずるための法律」

であると言えます。 

※サブリース業者:ざっくり言うと所有者の賃貸住宅をまた貸しする業者です。

法律制定の背景には以下のような、賃貸住宅を取り巻く環境の変化があります。

【法律制定の背景】

・価値観の多様化や世帯構成の変化に伴い、持ち家でなく賃貸住宅に住むという生活様式が広まってきた
・賃貸住宅の経営において、手間のかかる管理業務を委託する所有者が増加している
・賃貸住宅をめぐるトラブルは日常的であり、管理会社等を巡る相談件数は増加傾向にある
・特に、サブリース業者と家間のトラブルは社会問題にもなった

ちなみに「借地借家でも構わない」という消費者は、H11年の11.6%であったのに対し、R1年には21.8%と20年で2倍に増加しています国土交通省「令和元年度土地問題に関する国民の意識調査」参考)。

このような社会的な要請にともなって、法律が制定されたわけですね。

今後は「業務管理者」の選任が必要

賃貸住宅管理業法の制定において、特に着目すべき点は「業務管理者」の選任が必要であるという部分です。

実際の法律には以下の記載があります。

(業務管理者の選任)
第十二条 賃貸住宅管理業者は、その営業所又は事務所ごとに、一人以上の第四項の規定に適合する者(以下「業務管理者」という。)を選任して、当該営業所又は事務所における業務に関し、管理受託契約(管理業務の委託を受けることを内容とする契約をいう。以下同じ。)の内容の明確性、管理業務として行う賃貸住宅の維持保全の実施方法の妥当性その他の賃貸住宅の入居者の居住の安定及び賃貸住宅の賃貸に係る事業の円滑な実施を確保するため必要な国土交通省令で定める事項についての管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。

宅建業における宅建士の必置義務と同様に、賃貸住宅管理業においても、「業務管理者」という新たな有資格者の設置が必要になるわけですね。(厳密にいうと、「業務管理者」は資格名称ではないですが、現状、賃管士・宅建士どちらかの資格が必要なので便宜上有資格者と記しました。)

業務管理者になるには?

業務管理者になるには現状2パターンある

では、一体どのようにして業務管理者になれるのか?

要件の一つに該当する「賃貸不動産経営管理士」の協議会ホームページから、以下引用させていただきます。

業務管理者の要件

【業務管理者となるための要件】(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則第14条、附則第2条及び第3条並びに国土交通省告示第378号、第379号、第380号)

以下のいずれかに該当すること。

  • ①管理業務に関し2年以上の実務経験を持ち、国土交通大臣の認める登録証明事業による証明を受けている者
  • ※令和2年度までに賃貸不動産経営管理士試験に合格し、令和4年6月(移行期間終了)までに登録を受けた賃貸不動産経営管理士で、施行後1年の間に新法の知識についての講習(業務管理者移行講習)を修了した者については①を満たすものとする。
  • ②管理業務に関し2年以上の実務経験を持つ宅地建物取引士で、国土交通大臣が指定する管理業務に関する実務についての講習(賃貸住宅管理業業務管理者講習)を修了した者
  • ※管理業務の実務経験については、別途「実務講習」の修了をもって代えることもできます。

賃貸不動産経営管理士協議会ホームページより引用

要は、現状で業務管理者になれるパターンは、

①賃貸不動産経営管理士(登録を受けた者)で、移行講習を受けた者

②宅地建物取引士(2年以上の管理業務実務経験者)で、移行講習を受けた者
※実務経験は別途実務講習で代替可能


上記の2つになるということですね。

賃管士の方は、合格の上登録していないと受けれませんので、念のためご注意を!

賃管士は2時間、宅建士は10時間の移行講習

賃管士は「業務管理者移行講習」、宅建士は「賃貸住宅管理業業務管理者講習」ということで、講習名が若干異なりますが、講習時間が違うのが一番のポイントかと思います。

業務管理者移行講習は2時間、賃貸住宅管理業業務管理者講習は10時間となります。

受講形式はWEB配信になります。

私は2時間で受けたので負担は軽かったですが、10時間となるとなかなか辛いかもしれませんね・・・

移行講習の申込先は以下になるので、参考にしてみてください。


【移行講習の申込先】

賃貸不動産経営管理士の方
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会

宅地建物取引士の方
一般財団法人ハトマーク支援機構
一般社団法人全国不動産協会

早速、移行講習を受けてみた感想

各機関で講習の申し込みをすると、封書が届きます。

同封内容は、ログインのためのIDとテキストです。

テキストは120ページほどなのでボリュームは軽めです。

事前に全部読むというよりは、WEB講習を視聴しながら、読んでいく感じです。

講習ですが、WEB配信が2セットあり、それぞれ終了後に10問ずつの〇×テストを受け、合格すれば修了となります。

テスト!と聞いてざわつく方もいらっしゃるかもしれませんが、普通に視聴していれば確実に受かりますのでご安心を。(何回でも受けれるのもありがたい・・・)

無事終了すると、PDFの修了書がダウンロードできます!

まとめ ー今後の賃貸不動産経営管理士の展望ー

今回は、「賃貸住宅管理業法」の施行に伴い、新たに設置が必要とされる「業務管理者」になる方法と、講習の感想をご紹介しました。

ちなみに、業務管理者の要件が発出された際に、「宅建士でもなれるんだったら、賃貸不動産経営管理士の意義とは・・・」という話題が少なからずあったと記憶しています。

ただ、賃管士の話題に詳しいyoutuberの棚田行政書士の動画を視聴してみると、

・宅建士から業務管理者になるルートは永続的にあるわけではなさそうという点

・賃貸住宅管理業の実務的な知識は、宅建士の勉強だけでは十分に習得できない点

上記の背景から、資格としての意義はしっかりとありそうです。

むしろ、直近の国家資格化に伴い、賃貸不動産経営管理士は今後人気、難化していくことも予想されます。

既に賃貸不動産経営管理士に合格されている方は、業務管理者への移行講習を、宅建士に加えて不動産の資格を取得したい方は是非、今年の賃貸不動産経営管理士にチャレンジすることをお勧めします(^^)/

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