【宅建】「押印の廃止」と「書面デジタル化」?DX推進の先にある宅建士の価値は?

Last Updated on 2021年2月11日 by ジョブメンズラボ

こんにちは。FP宅建士のしんちゃんです。

先日、「デジタル庁が今年の9月に発足される」との閣議決定がなされました。

また、巷では「DX(デジタルトランスフォーメーション)」といったワードがトレンド入りするなど、ここ最近はデジタル化の話題に事欠きませんね。

そんな中で、宅建士の業務にも影響がある法案の提出がされました。

今回は、その概要と私の思うDXにともなう宅建士の行く末を書いていきたいと思います。

デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案

令和3年の2月9日に閣議決定・国会提出された法案の中の一つに、

「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案」

というものがあります。

その中で、今後の宅建士に深く関わりがあると思われるのが、以下の法律改正です。

押印・書面の交付等を求める手続の見直し(48法律の改正)
○ 押印を求める各種手続について
その押印を不要とするとともに、書面の交付等を求める手続について電磁的方法により行うことを可能とする。
施行日:令和3年9月1日(施行までに一定の準備期間が必要なものを除く。)

政府CIOポータルより引用

宅建を勉強されている方、宅建士の方はすぐにピンとくるかと思います。

そう、宅建士の独占業務である「契約書・重説事項の記名押印」に関わってくる内容になります。

「押印の廃止」と「書面デジタル化」

宅建士には以下の3つの独占業務があります。

【宅建士の独占業務】
❶宅建業法第35条に定める重要事項の説明
❷重要事項説明書への記名押印
❸同第37条に定める書面(契約書等)への記名押印

今回の法改正では❷と❸が大きく関わってきそうですね。

Twitterなどを見ると宅建業法改正の話も出てきています。

確実なことはまだわかりませんが、「押印の廃止」、「書面のデジタル化」といった部分が宅建士の業務に影響を与えそうです。

DX推進によるIT重説の普及に期待

この法改正を見ると、「宅建士の独占業務が減る」ないしは「宅建士なくなるんじゃないか?」と言ったご意見も出てきそうです。

ただ、私個人としてはDX推進を目的とした法改正により「宅建士の提供できる価値がより広がるのでは?」と前向きにとらえています。

特に私は「IT重説」の普及にとても期待しています。

IT重説とはいわゆる「インターネット等を利用した、対面以外の方法による重要事項説明」のことを言います。(※賃貸取引に限る)


リモートによる重説ができることで、日程調整の円滑化、移動の負担の軽減など顧客にもたらすメリットは大きいです。

今回の「押印廃止」や「書面のデジタル化」については、それ自体がIT重説とマッチした政策であり、「より顧客の利便性を向上させる」という価値につながる取り組みであると考えています。

また、宅建士側の書類事前送付作業や、管理など負担が軽減されるものも多くなるのではないでしょうか。

そうなると、1回の業務の効率化により、対応顧客数を増やすことができるかもしれませんし、場所を問わず業務ができるようになれば、宅建士としての働き方の形態も多様化していきそうですね。

そして何より、宅建士の業務の肝である「宅建業法第35条に定める重要事項の説明」といった独占業務がより際立ち、良い意味で専門家としての新たなマインドセットがされるのではないかと思っています。

宅建士の提供できる価値が広がっていく

今回の法律は9月1日から施行となっています。

まだまだ対面での重説が主流ですし、法の施行の実務への反映が急速に進むとは思えませんが、確実にDXによる環境変化はやってきます。

ただ、DXは決して「今の仕事を古いものにする」ということではなく、「新しい価値や体験を顧客に提供する(いわゆるUX)」といった前向きな取り組みだと思います。

なので、今回の法改正については、「宅建士が新たな価値を提供できるようになる」、そういう流れだと私は感じています。

今後も宅建士とDXについて、情報収集と発信をしていきたいと思います(^^)/

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30代はキャリアのターニングポイント

どんな会社でも、就職して10年も経つと一通りの手順や全体像が見えてくる。結果、よく言えば仕事に対して余裕が生じ、悪く言えばマンネリに陥ることになる。その時に、現状に甘んじて何もせず、ハンコを押すだけのルーチンワークをするか、それとも常に変化へのアンテナを高くして、いずれ必要となるであろうスキルを磨いておくかで、10年後のポジションは決まる。ジョブメンズラボは「変化へのアンテナを高く」する30代とともに成長していく。

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